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Tape Emulatorモジュール（Producerのみ）

Tape Emulatorモジュール：

A： クリッピングLED B： Tape Emulatorの有効/無効 C： 録音レベル（入力ゲイン） D： ノイズ（テープヒス) E： テープの速度 F： バイアス G： リンク H： 再生レベル

Tape Emulatorモジュールは、アナログテープに録音される音の特性をエミュレートし、調整可能なテープスピード、バイアス、およびノイズパラメーターによって豊富なコントロールが可能です。

デジタルオーディオはしばしば、"キャラクター"に欠けると批判されます。ミキシングをすべてコンピューター内で行うことには多くのメリットがあるものの、アナログミキシングコンソールやアナログの磁気テープに録音した際のキャラクターが失われてしまうことがあります。

デジタルオーディオでは、望ましくないクリッピングが発生する前に、0dBまでのオーディオレベルを録音できます。これは"過大入力"として知られています。アナログのテープ録音にも上限がありますが、デジタルクリッピングと違うのは、上限に近付くと信号が圧縮したりわずかに歪んだりする点です。望ましくないディストーションが発生する手前で通常、数デシベルの「スイートスポット」が存在しています。テープサチュレーションは多くの人が好む音であるため、レコーディングエンジニアは長い間これを有用なミキシングツールとして使ってきました。

Tape Emulatorモジュールを使用すると、デジタルミックスにアナログの暖かみと磁気テープサチュレーションの豊かさを付加します。これを、モノまたはステレオの各トラックまたはバスに使用します。

本物のアナログテープとは異なり、Tape Emulatorでは、個別のトラックや望む位置にテープサチュレーションを追加できるという柔軟性があります。たとえば、ドラムには多めのテープサチュレーションを適用し、ベースギターには少し少なめのテープサチュレーションを適用し、ボーカルにはテープサチュレーションを適用しない、というように指定することができます。

テープサチュレーションとは

テープサチュレーションは、さまざま信号レベルの大音量の音を磁気テープに録音してそれを正確に再生しようとするときに、それによって入力信号が録音された信号と正比例しなくなる場合に発生します。再生をすると、テープは元の音にあったエネルギーよりも少ないエネルギーを再生するため、それがサチュレーションエフェクトとなります。これは、常に存在するテープヒスを打開するのに十分な音量の信号を録音しようとしたときに起こることがあります。

デジタルディストーションとは違い、アナログテープサチュレーションは適切な状況下において、とくにドラムに対して心地よい効果を付加します。

テープサチュレーションは、繊細な非線形の歪み、圧縮、およびEQを加えます。それらは、トラックに荒々しさと低音を加えます。これらの効果はよく、「パンチ感」や「暖かみ」と認識されます。

コントロール

Tape Emulatorモジュールには、以下のような表示、操作子、パラメーターがあります。

クリッピングLED： Tape Emulatorモジュールへの入力信号がクリッピングされているかどうかを示します。ProChannel信号チェイン内でひずみが生じている場合、クリッピングLEDによってどこのモジュールでクリッピングが生じているかを特定することができます。

Tape Emulatorの有効/無効 ： Tape Emulatorモジュール動作の有効/無効を切り替えます。

ノイズ： シミュレートされたテープヒスのレベルを調整します。

録音レベル： 前処理されたオーディオ信号（入力レベル）に最終的なゲイン調整を適用します。大音量では、より多くの圧縮やサチュレーションが発生します。

PBレベル： 後処理されたオーディオ信号（出力レベル）に最終的なゲイン調整を適用します。

テープスピード： シミュレートされたテープスピードを調整します。これは圧縮の動作に影響します。これには、次の2つの設定があります。

7.5 INS： 低速のテープスピードになります。より多く圧縮され、暖かみのある音色になり、高周波は含まれません。

15 INS： 標準的なテープスピードになります。圧縮のアタック時間がより早くなります。

バイアス： 磁気テープは、信号レベルが低い場合は非線形応答になります。テープバイアスは、入力信号をテープの磁化特性の線形範囲へを移動させることによって、信号の弱いアナログの磁気テープに、より忠実に録音できるようにします。その結果、低周波および中周波のひずみが少なくなります。これには、次の2つの設定があります。

オーバー： 低周波および中周波のシューシューという音のひずみを減らし、ノイズレベルと相互に作用します。

通常： 標準レベルのディストーションを設定します。

リンク：リンクが有効な場合、ユニティゲインを維持するために録音レベルとPBレベルつまみがリンクされます。無効な場合、録音レベルとPBレベルつまみは独立して動作します。

 

関連項目：

ProChannel（ProducerおよびStudioのみ）

ProChannelの使用

ProChannelのモジュールとコントロール

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